最近の厚労省の調査によると、日本の核家族の割合は全体の約6割、3世代家族の割合は1割にも満たないという結果です。この30年で核家族が増え、3世代家族が減る傾向が進んできました。
私も子供の頃は3世代家族でしたが、現在は核家族です。夫の親とも私の親とも同居はしていません。
これにはいくつか理由がありますが、その中でも大きめの理由が、私が結婚した当時
「親(特に母親)が同居を望まなかった」
ということです。
夫のお義母さんも私の母も、自分が「嫁」だった時代に姑との関係でかなり嫌な想いをした経験があったので、自分が姑になるときには絶対に同居はしない、その方がお互いに気楽でいい、という考えでした。
確かに私も子供の頃祖父母と一緒に暮らしていた時は、色々と気を使うように親から言われ、正直煩わしく感じた経験はあります。
祖父母とは起きる時間や寝る時間などの生活リズムが全く異なるので、
「夜8時以降、家の中を歩く時は静かに歩きなさい」
とか、
「テレビや音楽の音を小さくしなさい」
とか。
同居しない方が気楽というのは私も同意できたので、これまでずっとそれぞれが核家族でやってきました。
でも、ここ数年、
「本当にこのまま核家族が当たり前、みたいな世の中でいいのだろうか...?」
と考えるようになりました。
女性も平等に活躍できる社会を目指すのは結構ですが、核家族で夫婦共働きをするとどうしても子供を預ける必要があります。
それが「待機児童問題」の原因の1つとなっています。
3世代家族なら、大抵は祖父母が家にいるので預ける必要がなくなります。
核家族で、例えば母親が専業主婦または育児休暇を取って育児をする場合、母親にかかる負担がどうしても大きくなり、他に頼る人もいなくて、精神的に参ってしまう、という話もよく聞きます。
3世代家族なら、経験者である祖母が手伝ってくれたりして、助かることもあるのではないでしょうか?
もちろん祖母(姑さん)との関係が良いことが前提とはなりますが。。。
今、都市部では、マンションなどの集合住宅や、小さな一戸建てがたくさん建っています。
これから日本の人口は減ると言われているのにこんなにぎっしりと建てて売れているのは、それだけ核家族が増え、世帯数が増えているということもあるのでしょう。
しかしあと10年もして実際に人口が減って来たとき、ますます空き家問題は深刻となるのではないでしょうか?
その点3世代家族なら、複数世代で1つの家なので、住居にかかる費用も分散でき、若夫婦にかかる負担も軽くなります。
また、もう少し広い家を建てることも可能かもしれません。
核家族ですと、昔ながらの日本の文化や風習が伝わりにくい状況となり、例えば年中行事やお盆・お彼岸などご先祖様を大切にする考え方が消えてしまうかもしれません。それは、せっかく日本に生まれてきたのに、とても寂しく不幸なことだと思います。
核家族が増えてきたのは、多くの人が気楽で自由な生活を求めてのことです。
確かにそれは手に入りますが、一方でいろいろな問題も引き起こしていると感じます。
人間はそもそも1人では生きていけません。このコロナ禍で孤独が原因で精神を病んでしまう人が増えたのが何よりの証拠です。
他人と一緒に暮らすことは、どうしたって不自由さや煩わしさを伴います。でも楽しいことや助かることもたくさんあるはずです。
私達の親も高齢になってきて、これから先これまでのような別々の暮らしが続けていけるのかと考える時期になってきました。
核家族と3世代家族、どちらが幸せかは人それぞれの置かれた状況にもよりますが、やっぱりこの世の中で、家族というのは特別な存在です。
私も今になって思えば、子供のころ祖父母と一緒に暮らしたことで、学んだことも多かったなぁ、と感じます。
マイナスの部分よりもプラスの部分に目を向けて、もう一度同居を見直してみたいと思います。